Qualitas×Wall Street journal 世界のビジネスリーダーが愛読する経済紙『The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)』と、日本の著名人を取り上げている企業経営者向け 質の高いビジネス情報誌『Qualitas(クオリタス)』が、タイアップしたビジネス情報誌「Qualitas×Wall Street journal」に、COVER HAIRグループ代表 谷本一典が、美容業界で初めて掲載されました。Qualitas×Wall Street journal

世界のビジネスリーダーが愛読する経済紙『The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)』と、日本の著名人を取り上げている企業経営者向け 質の高いビジネス情報誌『Qualitas(クオリタス)』が、タイアップしたビジネス情報誌「Qualitas×Wall Street journal」に、COVER HAIRグループ代表 谷本一典が、美容業界で初めて掲載されました。

カバーヘアグループ代表
谷本一典氏 プロフィール

1969年生まれ。広島県出身。広島からバンドマンを目指し上京した後、美容学校へ。卒業後、都内の老舗、有名ブランド、低価格サロンなどに勤務。株式会社ハンサム社長代行およびCOVER HAIR GROUP代表に。2015年には世界初の「モッズヘア・メン」の総合プロデュースも手掛け、美容コンサルティングとしても活躍中。

美容業界に「踊り場的経済」を。

埼玉県を中心に美容サロンを展開し、成長を続けるカバーヘアーグループ。代表の谷本一典氏は、美容業界にかってない意識改革をもたらそうとしている。それは働きやすく、仕事が続けられる職場づくり。谷本氏の温かみのあるマインドがスタッフに浸透し、ユーザーとなる顧客にも伝わっていく。経済成長あるのみではなく、誰もが楽しめる場所としての「踊り場的経済」は、美容業界だけでなく日本社会に新しい価値を伝えてくれるはずだ。

社員は経営者の言葉が知りたい。

近年の美容師はとかくやることが多い。昔ならば若手はチラシ配りにカットの練習が主だったが、今時の美容師はスタイリングの勉強から集客のための写真撮影、モデルの確保、メニュー開発、接客の勉強、さらにはブログ執筆までこなさなくてはならないという。そうした多忙な美容師たちを代表として取りまとめる谷本氏は、コミュニケーションの取り方が重要だと語る。

「スタッフと話す機会は大事にしています。なぜかと言えば、僕がかつて中堅だったころに経営陣の言葉の意味が知りたくて仕方がなかったから。その売り上げはなんのためにあるのか、なぜ目標達成が必要なのか、そしてどんな企業にしていきたいのか、こうした言葉は働く側にとって大切だと思います。だから僕の会社では全社、店舗、さらには個別にまで、いろんな局面でコミュニケーションをとっています」。

そのミーティングを通し谷本氏は、企業としての方向性から個別の小さな悩みにまで踏み込んでスタッフの話を聞く。

「美容師にとって心の問題は大きいんです。彼らは職人であり従業員でもありますから。言葉を変えると己の個性との葛藤ですよね。それぞれの個性がお客様にとって必要なものかどうか考え、バランスがとれる美容師に育てていく。また仕事上の話だけでなく、人としてどうあるか、という説法めいた話もよくしています。経済的な成功も大切ですが、僕は彼らに得るばかりでなく人に与えられる存在になってほしいんです」。

こう語る谷本氏は、経済に対し興味深い信念を持っている。それはこれまでの経済活動イコール成長あるのみ、という考え方に一石を投じるものである。

「日本は美容師の年収が低いと言われています。その中での幸福を考えたとき、みんなが笑顔になれる場所ってどこだろうと考えたんです。環境的にもそれなりの余裕があって学びが活かせて、経済の不安がない状態。それって階段の踊り場じゃないかって気づいたんです。踊り場ってみんなが踊れる場所じゃないですか。僕の思うユーフォリアってそこにあるんじゃないかと思っているんです」。

徳を積んで、いざ踊り場へ。

谷本流の踊り場経済思想に至ったのは、谷本氏自身が過去の苦しい体験からきている。カバーヘアーの代表になってからも、それ以前の職場でも、経営者としての苦しみの連続だったという。利益をあげているのに人は辞めていく。辞めれば人を雇わなければならない、人が溜まってくれば出店しなければならない。谷本氏自身、いつ終わるのかもわからないサイクルにとらわれていたという。

「苦労が絶えない状態をあえて自分で選択するのはどうなんだろうと思ってたんです。店舗を増やしてはいきますが、自分のために出すのはやめました。自分の欲で動くとスタッフが苦しむことになるんです。ひいてはお客様のためにもなっていない。だから自分の欲ではなく、スタッフにチャンスを与えるという動機で経営するようになりました」。

一見、停滞しそうな方向へ舵を切った谷本氏だが、逆にグループとしてさらに成長を続けていくことになる。自身の方針でスタッフたちの力を十分に引き出す環境が整い、お客様に対する本当の意味の価値提供ができるようになったのである。

「スタッフに余裕ができると、各自が豊かな行為に時間を使えるようになるんです。その時間がお客様の悩みやニーズに応える技術や人間力の形成につながっていく。僕自身の考え方が変わって、会社全体が良くなっていくサイクルに入れたんだと感じています。今後も、常にいいことを思考し、徳を積める人間でありたいと思っています。徳を積んで周りの人たちに分け与えることができれば、全体としていい流れができるのかな、と思っています。お金も大事ですけど、信用や信頼、徳といった見えないものを積んで分けていきたいですね」。